難病 ミトコンドリア病の発症の仕組み解明 治療にも希望!?
遺伝性の難病「ミトコンドリア病」の発症の仕組みを解明し、治療薬の候補となる薬剤も開発したと、富沢一仁・熊本大教授(分子生理学)らの研究チームが4日、米科学誌セル・メタボリズム電子版で発表する。チームは「今後、動物実験を経て臨床試験を実施したい」としている。
◇特定酵素の働き低下で発症
ミトコンドリア病は、細胞の中でエネルギーを作り出す小器官ミトコンドリアの働きが落ちることで起こる病気。全身の筋力や心機能の低下などさまざまな症状がある。特定の遺伝子の変異が原因だが、発症の詳しい仕組みは不明で、根本的な治療法もない。
チームは、患者30人の血液細胞を分析。患者の細胞では、特定の酵素の働きが低下し、ミトコンドリアがエネルギーを作り出すのに必要なたんぱく質をうまく作れなくなっていることを突き止めた。酵素の働きが低下するほど、症状が重くなっていることも分かった。チームはすでに、この酵素の代わりになる薬剤を開発しており、マウスの細胞を使った実験では効果が確認できたという。
ミトコンドリア病を巡っては、英議会が2月、病気を持つ女性の卵子から核を取り出して健康な女性の卵子に移植する「卵子核移植」を世界で初めて合法化し、話題になった。【須田桃子】
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